どうも歳を重ねるごとに涙もろくなっていけねーや。 今日もティッシュと涙の貯蓄がだいぶ減ってしまい枯渇状態だ。
先週、WOWOW で 『チルソクの夏』 が放送になり、録画しておいたのを観た。 数ヶ月前まで、月刊誌『ランナーズ』の表紙を一年間飾ってくれた水谷妃里ちゃんが主演の映画である。
以前に書いた韓国映画 「8月のクリスマス」、「ラストプレゼント」、「ラブストーリー」 等に負けじ劣らずの 『清く、正しく、純粋に』 路線を貫いている。
『チルソク』 とは、ハングル語で 『七夕』 のことらしい。
友好陸上競技会で韓国釜山を訪れていた主人公達。 競技会の会場で、主人公の郁子ちゃんと韓国人少年の安くんはお互いに一目ぼれ。 安くんは戒厳令(夜間外出禁止令)を破って郁子ちゃん達の宿泊所にやってくる。 夜の闇の中で初めて言葉を交わす二人。 まるでロミオとジュリエット。 手紙を出す事になり住所を渡す事に。 「何か書くものない!?」と駆け寄る郁子ちゃんに友達があわてて渡すのはトイレットペーパー。(笑) そうやって帰国後二人の文通が始まるが、どちらも親や周囲の大人の反応が冷たい。
陸上を中心としたストーリーではあるが、話の奥底に流れる本当のテーマは 『反戦』 と 『平和への願い』 だったのではないか、と僕は感じた。
翌年、今度は下関でまた友好陸上競技会が開かれ二人は再会。 歓迎会で安くんが日本のラジオを傍受しながら覚えた 『なごり雪』 を歌うのだが、当時韓国人には日本の歌謡曲はご法度な為に途中でどなりつけられて中断させられてしまう。 日本人の立場からすると、ハッとさせられるシーンだ。
この 『なごり雪』 が物語後半のテーマ曲になる。 安くんの帰国前夜、二人は関門大橋と下関の町を見下ろす山の上でデートする。 安くんは大学進学・兵役がある為に、次に二人が会えるのは4年後。 安くんが別れを告げてその場を去り、残された郁子ちゃんに 『なごり雪』 を歌いながら歩み寄る陸上の友達3人組。 みんな流れる涙が止まらない。 観ているこちらの涙も止まらない。 青春はレモンのようにほろ苦い味なのだ。
印象深いシーンを二つ。
関門海峡の海底トンネルで、山口県と福岡県の県境の線をまたぐ二人。 そこで安くんがぽつりとつぶやく。 「38度線もこうして自由に行き来できればいい。。 同じ民族で、同じ血を分け合う人達が北と南に分かれて憎み合っている。 こんなのおかしいよ。」
郁子ちゃんが言う。 「同じ17才なのに、どうしてそんな事考えられるの? 私達なんて、学校でもテレビを見てどうだったとか、どのタレントが好きだとか、そんなくだらないことしか話さないのに。。」
安くんが答える。 「それだけ日本は平和なんだよ。 うらやましい。 korea も早くそうなって欲しい。。」
実に考えさせられる。
もう一つのシーンは郁子ちゃんが陸上をやめようとする時。 文通を続けている最中に周囲の大人から 「朝鮮人と付き合っている」 と冷たい視線を受け、戦時中に叔父を日本人に殺されている安くんの母親からも、「うちの子は受験で忙しいからもう手紙は送ってこないで欲しい」 と手紙が来る始末。 落ち込んで陸上部をやめようとする郁子ちゃんに、陸上部の友達3人組が投げかける言葉。
「郁子って、何の為に陸上やってきたん?
私はただ走るのが好きやったからやし
巴はとぶのがすきやったから。。
郁子だって、同じやないん?
目標決めて、クリアするのが楽しいんやろ?
練習はきついけど、その後みんなで食べるお好み焼きがおいしいやん!
安くんが来んていうだけで、好きな陸上やめられる?
私達のことはもうええん?
そうなら、もうもどってこなくてもええよ!」
僕はなぜか社会人になってから陸上をはじめた。
それに生活がかかっているわけでもなく、だれに無理強いさせられたわけでもない。
でも気がついたら、フルマラソンも、ウルトラマラソンも走っていた。
そして気がついたら、全国いろんなところにマラソン仲間ができていた。
韓国と日本は文化的にもどんどん近い国になってゆく。
この映画を見て、日本が平和なのは有り難い事だと思った。 今の時代を生きる自分達は幸せだと思った。 趣味でマラソンを走っていられる自分は幸せだと思った。
明日は熱海湯らっくすマラソン大会だ。 楽しんでこようと思う。
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